≪關門日日新聞大正7年8月20日≫
「▲佐波郡 中關村長襲はる」
≪防長新聞大正7年8月23日付≫
「●中關の物騒 ▽尾中縣會議員方▽木固屋へ放火す」
「佐波郡中關村にては米價問題のため一時不穏の状態を呈し去十五日夜は五十余名十六日夜は二百余名の地民會合し將に騒動を惹起せんとする模様ありしが三田尻警察署員出張し之れを鎮撫し其後村に於ては白米の廉賣を行ひつゝあり尚ほ廿日夜縣會議員尾中郁太氏方の木固屋に放火せるものあり幸ひに大事に至らさりしが其の筋にては極力犯人捜査中」
国立公文書館アジア歴史資料センター「米価問題に付騒擾の件2止(14)」(レファレンスコードc08021485500)の「騒擾事件調査票」55~82ページ(番号1527~1554)。次の表は、この史料の中の「騒擾犯人身位別表」(70ページ)です。
山口県内の騒擾事件で検事処分を受けた人数は、①宇部村、②安下庄(あげのしょう)町、③向津具(むかつく)村、④富海(とのみ)村、⑤須恵村、⑥八坂(やさか)村、⑦太華(たいか)村、⑨出雲(いずも)村、⑩中関(なかのせき)村(7名)の順です。職業別では、米の消費者の鉱夫、漁業従事者が多く、米価高騰が契機となって賃上げや廉売・寄付金要求の騒動が発生しました。
2022.12.21更新
『關門日日新聞』大正7年10月27日。「●中關米騒擾事件 豫審終結有罪と決定す」(一部要約)
日稼40代2名30代1名。製油小売業30代1名。料理屋業30代1名。大工30代1名。職不明30代1名。
『馬關毎日新聞』大正7年10月27日。「●中關米騒動の豫審 ◇七名共有罪と決定」。要約。
10月24日予審終結、公判に付せられる。
8月15日夜厳島神社境内集合。廉売強要のため15日午後9時30分ころ尾中郁太方に至り巳之八申し向け、戸一、恐喝。16日午後2時頃東西相呼応、米商平井方で巳之八脅迫、山本方で福松恐喝。同夜12時頃光永方で福松、巳之八脅迫。新五郎、太作同夜8時頃武居方で恐喝。同夜8時頃中村方で新五郎恐喝。同夜9時30分ころ荒瀬方恐喝。夜10時頃小野方脅迫。
30代4名。40代2名。50代1名。
日稼3名。製油小売業1名。料理屋業1名。大工職1名。空欄1名。
騒擾罪首魁・脅迫罪5名。騒擾罪指揮・率先助勢1名。
『防長新聞』大正7年10月27日。「●中關の暴徒」 一部。
7名予審有罪決定、公判に付される。◆居村の有資家...白米五〇表一升二十五銭宛てにて廉賣せしむべく承諾せしめ...◆通謀の上意思...◆群集を率ゐて...◆同値にて廉賣しくれと強要して...。
『防長新聞』大正7年12月15日。「●裁判だより」。一部抜粋。
「◇佐波郡中關村大字〇〇〇〇〇〇外六名の騒擾事件は昨十四日開廷立會の檢事は〇〇を懲役二年〇〇〇〇〇〇〇〇〇を同一年半〇〇〇〇、〇〇〇〇〇、〇〇〇〇を同一年〇〇〇〇を同六ケ月に所刑されたしと求め夫れより辯論ありたり筈。」
『防長新聞』大正7年12月24日。「●中關村 米騒擾判決」。要約
判決・( )内は求刑。
懲役1年2月1名(懲役2年)。懲役1年1名(懲役1年半)。懲役8月4名(懲役1年半1名。懲役1年3名)。罰金30円1名(懲役6月)。