『米騒動記』の中に、高野義祐が筆写した「大正九年刑事裁判原本(甲)」(山口地方検察庁所蔵)が所収されている。布引敏雄と管理者は、原本と高野の筆写を対校し、正確に筆写されていることを確認した。
高野は筆写を認められているのだから、現在、山口地方検察庁が複写、メモを認めないことは不当ではなかろうか。
『細川嘉六集藏 京都大学人文科学研究所編 米騒動史料 山口県1 』 (三)に「宇部村騒擾事件豫審終結決定」と「安下庄町騒擾事件予審終結決定」の筆写資料がある。この史料にはほかに、「(一)生活状況」の中に山口県の米騒動に関連した新聞記事、「(二)騒擾経過」「山口縣宇部炭坑夫の暴動参加記」(『米騒動の研究』第四巻では「Y君参加記」として引用)が綴じられている。「Y君参加記」の史料価値は低いと考える。
(以上は所蔵図書館で複写本が複写できます)
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『法律新聞』 山口県内では東亞経済研究所(山口大学経済学部)の書庫にあります。米騒動当時の騒擾事件、厳罰主義等に関する論説があります。
アジ歴のデジタルアーカイブはモノクロ画像ですが、防衛研究所の原本の綴りの史料は、職印は朱色であり、青字や赤字で記載された部分などもあってモノクロではありません。
(参考)アジア歴史資料センター(JACAR)の史料は、A・B・Cから始まる11桁のレファレンスコード(Ref)で表記されています。A~Cは以下が所蔵しています。(以下をクリックするとHPにリンクします)
A 国立公文書館
B 外務省外交史料館
C 防衛省防衛研究所
『米騒動記』の中に、高野義祐が筆写した「大正九年刑事裁判原本(甲)」(山口地方検察庁所蔵)が所収されている。布引敏雄と管理者は、原本と高野の筆写を対校し、正確に筆写されていることを確認した。高野は筆写を認められているのだから、現在、山口地方検察庁が複写、メモを認めないことは不当ではなかろうか。
井上清・渡部徹編『米騒動の研究』第一巻~第五巻(山口県及び宇部村は第四巻に記載。第五巻430-432に補遺)1959~62年。一部に誤記がありますが、山口県の米騒動研究の出発点になる文献です。
≪管理者論文≫
木京の史料紹介は、「米価騰貴に基づく各地騒擾の件」の史料中の山口衛戍司令官の8月25日の詳報という報告書を全文掲載したものである。木京は、宇部の米騒動の裁判記録がまとめられたのは暴動発生から2年後であるのに対し、この報告書が暴動発生時と同時期の記録であるので貴重と考えている。しかし、その観点では、軍隊側の視点からの歴史認識に陥り、鉱夫側の視点が欠如することにならないか検討すべきであろう。裁判史料には、鉱夫や第三者の証言などの記載があり、その記載は必ずしも陸軍の報告書と一致していない。客観的に宇部の米騒動を見るためには陸軍の報告書の検証が必要と考える。
このページの最終更新 2020.9.16 2022.3.16