AIと共通テスト・大学入試問題

AIと大学入試問題

「家庭教師のトライ」と「旺文社」の取り組み

 2020年9月1日よりTVCMで紹介されている「家庭教師のトライ」と「旺文社」の『入試問題的中AI』のサービスが開始された。

 詳細は、家庭教師のトライHP(クリック・外部リンク)。(旺文社HP(クリック・外部リンク

)。)

 管理者は、共通一次初年度(1979年1月実施)から20年間、ほぼ全員が大学進学する2つの普通高校で日本史の受験指導をしていた。その間、旺文社の『全国大学入試問題正解・日本史』を毎年購入して、共通一次試験・センター試験、国公立大学2次試験、私立大学入試問題の研究をしていた。旺文社にはこうした蓄積と実績がある。今回は、「191大学5年分の過去問独自データをトライ独自のアルゴリズムでAI解析」、志望大学・学部の「合格に必要な50題をAIが厳選」するという。

 大変な労力を要したと推察されるAIを活用した先進的な取り組みを評価するとともに、サービス内容が実績を上げることを期待している。

2020.9.8


《参考資料》

AI(サイトビジット社)によるセンター試験問題予測(失敗)の経過

メディアの報道

 2020年1月実施のセンター試験問題をAIが事前に予測し、開発したベンチャー企業が、その後、有料で提供する可能性が高まった。

 日本史のセンター試験の出題範囲は教科書に限定されており、AIの分析は、高校の教員や予備校講師の経験を上回る可能性がある。

 また、問題作成にあたる大学関係者も多忙な中の作成作業に、AIを意識することになり、負担が増えると推測する。

  他教科も含め、入試問題作成と受験対策の根幹の変更を余儀なくさせる可能性があり、今後の動きを注視したい。

  NHKの報道は以下の通り。 

「司法試験予備試験 AIが合格?」

NHK NEWS WEB 首都圏NEWS WEB 2019.5.20 1452分)

  「19日行われた司法試験の予備試験で、AI=人工知能が問題の6割を事前に予測し、正解したと開発会社が発表しました。

会社は、「合格ラインを超えた可能性が高い」としていて、出題のあり方に波紋を広げる可能性もありそうです。 

 「未来問」と名付けられたこのAIは、東京のベンチャー企業が開発しました。

会社によりますと、AIは19日行われた司法試験の予備試験のうち、「短答式」と呼ばれるマークシート式の法律の問題に挑みました。

 試験範囲の法律や過去の問題などを学習して事前に問題を予測し解答しておいたところ、95問中57問、率にして6割が実際の出題内容に的中し、正解したということです。

 この試験は、一般教養問題も含めた合格ラインが過去2回、59%台の正解率になっていて、会社は今回も傾向が変わらなかった場合、合格した可能性が高いとしています。

 会社は、AIが予測した問題を受験者に有料で提供するサービスを始める予定で、出題のあり方に波紋を広げる可能性もありそうです。

 AIを開発したサイトビジットの鬼頭政人社長は「資格試験はあくまでもスタート地点で、AIを活用して早く突破して頂き、その後の実務や学習により時間を使って欲しい。また、出題者側には従来とは違う問題を模索してほしい」と話していました。 

 司法試験の予備試験の「短答式」には「憲法」や「民法」、「商法」など、7つの法律に関する問題と、一般教養の問題がありますが、今回AIは7つの法律についての予想問題を事前に作成しました。

 過去8年分の問題と問題集3500ページ、それにネット上の法律用語を学習し、出題傾向を分析して解答を導き出しました。

 例えば「商法」の科目の場合、「商行為」について正しい解答を選ばせる問題が出題されると予測し、解答として選ぶべき選択肢も一致させました。

 

 会社は、今回のAIを使って、ことし8月の「社会保険労務士試験」や10月に予定される「宅建試験」、それに来年(2020年)1月実施の「大学入試センター試験」でも問題を予測する予定だとしています。」(赤字・太字は管理者による。) 

2020年2月11日現在、「サイトビジット」の発表はありません。

 昨年5月、前記のようにセンター試験をAIが予測する予定という情報がありましたが、2月11日現在、サイトビジット社からの公表はありません。

 AIが公表できる成果を上げることができなかったのか、予測をしなかったのか、今後公表があるのか、現在のところわかりません。2020.2.11 

「サイトビジット」のAIによる日本史Bの問題予測は失敗か?

 サイトビジット社は、2020年1月実施のセンター試験のAIによる予測をマスコミに発表していましたが、1か月経過した2020.2.18日現在、サ社のHPに発表はありません。

サ社は、センター試験の予測を試みたが、今年度は発表できる成果を上げることができなかったと判断します。

 今後は、発表などの状況の変化があるまで、AI予測に関する追跡・記載はしません。

サ社の社会的責任として、たとえば「十分な成果が得られなかったので発表できない」などの説明責任が必要と考えます。2020.2.18 

「サイトビジット」、AIによる日本史の問題予測失敗

 サイトビジット社HPの「全てのニュース」に、2020年6月12日現在、日本史の問題予測に関するリリースはありません。管理者は失敗したと判断します。

予測の予定を公表していたサイトビジット社には経過説明の責任があると考えます。

2020.6.12最終更新 

「サイトビジット」の追跡は終了します。

 2020.8.22をもってサイトビジットのリリースの追跡はいたしません。